もしもこのナンパ男の知り合いだった場合。
それはもう最悪な展開だ。あたしからしてみれば、敵が1人増えるだけ。
もしも、偶然通りかかった人なら。
もしかしたら助けてくれるかもしれない。助けてくれなくても、警察に連絡してくれるとか。
出来れば後者であってほしい。
出来ればっていうか、後者じゃなきゃ困る。
「なぁ。」
見たことないくらいの善人でありますように。
信じられないくらい正義感強くて優しい人でありますように!
ナンパ男が、声に反応して振り返る。自動的に、あたしまで振り返ることになる。
………あぁ、もうあたし泣きそう。



