「そういえばね、昨日神岡さんのとこの奥さんが買い物に来てたわ。」 「えー、俺も昨日来ればよかった」 神岡さんのとこの奥さん? つまり、希龍くんのお母さん? 「わ、やべ。もうこんな時間だ」 「あら、ほんとね。じゃあ、またね健太くん」 考えている内に2人の会話は終わっていて、安田さんはまた歩き出した。 「あ、希龍たちもう帰ってるわ」 「安田さんの家にですか?」 「うん。腹へったから早く帰ってこいって葉太からメール来てた」 「じゃあ、急ぎましょうか」