主婦か、ってツッコミたくなった。
スーツを着てない安田さんはいつもより若く見える。こんなお兄さんが近所のスーパーに買い物だなんて…
さっきのウエイトレスさんが見たらビックリするんだろうなー…
あの人結婚してたの?ってさ。
「いいですよ、行きましょうか」
「さんきゅ。じゃあお礼にここは俺が払っとくから。先に車に乗ってて」
「ふふ、ありがとうございます」
安田さんの車の鍵を受け取って、小さなカフェを一足先に出た。これから安田さんと、スーパーで買い物だ。
―カランコロン…
カフェのドアが、音を立てて閉まった。



