「勘、ってやつかな。」
「勘ですか?」
「うん。俺は昔からあの2人を見てたけど、すげぇんだよ。希龍はほんとに、大智さんに似てる」
そっか。希龍くんはお父さん似なんだ。
黄金期を築き上げたような人に似てるなら、希龍くんのあの強心臓にも納得がいく。
ちゃんと、血を受け継いでるんだ。
「何で狂羅が希龍1人を狙うか分かる?」
「狙いやすいからじゃないんですか?」
少なくともあたしはそう思ってた。
あれだけ強い人なんだから、1人の時じゃなきゃ潰せないんじゃないの?
「それもあるけど」
「他に何かあるんですか?」
口角をあげた安田さん。
悪戯っ子みたいな笑顔が目に焼き付いた。



