tender dragon Ⅰ


「勘、ってやつかな。」

「勘ですか?」

「うん。俺は昔からあの2人を見てたけど、すげぇんだよ。希龍はほんとに、大智さんに似てる」


そっか。希龍くんはお父さん似なんだ。

黄金期を築き上げたような人に似てるなら、希龍くんのあの強心臓にも納得がいく。

ちゃんと、血を受け継いでるんだ。


「何で狂羅が希龍1人を狙うか分かる?」

「狙いやすいからじゃないんですか?」


少なくともあたしはそう思ってた。

あれだけ強い人なんだから、1人の時じゃなきゃ潰せないんじゃないの?


「それもあるけど」

「他に何かあるんですか?」

口角をあげた安田さん。

悪戯っ子みたいな笑顔が目に焼き付いた。