「っは……」

慣れてないあたしは当然息が切れて、力も入らなくなって。希龍くんにもたれかかってしまった。

「ごめん、苦しかった?」

「ん、ちょっとだけ…」


希龍くんは泣き止んだあたしを見て、満足そうな笑顔でベッドに寝転んだ。

あたしも同じように寝転ぶ。

……けど、隣の部屋から聞こえてくる声に驚いて飛び起きた。


「え?」

聞こえてくるのは、あたしが聞いたこともないような甘ったるい女の子の声で。

それは隣の部屋から聞こえてくる。

「隣って…」

そうあたしが呟くと、希龍くんも起き上がって欠伸をしながらため息をついた。


「芽衣と遼太。」

「え、何で……」

「あはは、美波真っ赤だよ。」

「だって…!」

「ここ壁薄いのにヤらないでほしいよねー」

なんて言って、またベッドに寝転んだ。

ヤるとか、そんな簡単に!

まぁ隣はカップルだから仕方ないことなんだろうけど、もう少し狼狽えるもんでしょ!


「聞きたくないから、早く寝よ」

「…うん」

素直に頷いて、眠りについた。