無邪気な笑顔。

眠そうな顔。

不機嫌な子供っぽい顔。

急に男らしくなる顔。

会わなくたって、いつでも、何度でも思い出せるんだから…


蒼空くんにギュッとくっつく。

染めた髪、無駄だったんだなぁ…

蒼空くんも一緒に染めてくれたのに。


もしかしたら、このまま楽しい春休みを迎えられるんじゃないかって思ってたの。

そんなわけないのに。


「ここまで来てんのかよ…っ」

学校から少し離れると、見慣れない無数のバイクがそこにあった。

あぁ、やっぱり…逃げられない。


「美波…、走れるか?」

「え…?」

「逃げんのは無理だ。隠れるぞ。」