あの日から、変わった。

希龍くんはほんとに安田さんの家に帰ってこなくなって、姿すら見かけなくなった。

それはきっと、あたしだけ。

…避けられてるんだと気づくのに、時間はかからなかった。

当然のことだから。

避けられて、当然。


「今日は俺も行く。」

あたしの送り迎えをしてくれてる蒼空くんが、珍しく一緒に春斗の病室に来ると言う。


そういえば、あの日から葉太にも会ってない。

だけど、たまに連絡をくれる。

【元気か?】

【無理すんなよー】

何度も励まされた。

あの日だって葉太がいなきゃ、きっとあの場所から動けないままだった。


「…学校、あと何日?」

「あと3日だけど…、何で?」


あと3日学校に行けば、春休みになる。

春休みが来ることが少しだけ嬉しかった。