「春斗!」 静かな病院の廊下に響く、足音と少し高い声。 1人じゃない。何人かいて、その中にはきっと春斗の両親もいる。 「…蒼空、美波送ってやって」 「え…?」 希龍くんがあたしを見ずに言う。 春斗の意識が戻るまでそばにいたいのに。そんなことすらもあたしには許されないの? 「行こう、美波」 蒼空くんはあたしの手を引いて病院を出る。 何も言えなかったのは、春斗がこうなったのはあたしのせいだと自覚しているから。 「ごめんね…」 呟いた声は、春の暖かい空気に溶けた。