呆然と立ち尽くす。

電話の向こうで、今何が起きてるの?

それ、春斗のことと関係あるの?

……大丈夫だよね…?

みんな元気に、安田さんの家に帰ってくるんだよね?


「美波!」

「あっ、蒼空くん!あたし電話したんだけどっ、ガラスが割れる音がして…っ」

「希龍は、何て?」

「安田さんの家に帰っててって……」

「…乗って。送る」

そう言った蒼空くんはあたしなんかよりも全然冷静で。落ち着いていて。


「行かないの…?」

「俺らが行ってどうにかなる問題じゃない。」

どこからか借りてきた自転車の荷台に乗るように促される。

何も言えなくて素直に乗ると、蒼空くんはそのまま公園を出た。