ホームルームの途中でメールをして、そのあとすぐに返事が返ってきたから、多分ちょうどあれから30分くらい。

春斗にしては遅いなぁ。

いつもなら、あたしが来るよりももっと早くここにいて、待ってるのに。


ここから西高までは10分もかからない。

ゆっくり準備してるのかな?

だって、30分もかからないもん。


「30分?」

「うん、多分そのくらい…」


眉間にシワを寄せた蒼空くんが、ベンチに寄っ掛かっていた体を起こす。

何?何なの?

どうしてそんな、真剣な顔してるの?


「…春斗に電話して」

「っ…分かった」

急に不安になる。


慌てて携帯を取り出して、着信履歴の一番上【城戸春斗】の名前を押す。

春斗に何かあったの?