「芽衣っ!」
目立ってることなんてお構いなしに駆け寄ってくる遼太くん。自覚がないのか慣れてるからなのか分からない。
「迎えに来なくてよかったのに」
「いつものことだろ?」
「門まで来たら目立つじゃん!」
「あれ、俺目立ってる?」
「目立ってるよ、もう…」
「いいじゃん、見せつけてやれば?芽衣の彼氏は俺なんだって」
遼太くんが言う通り、注目しているのは女の子だけじゃなくて。
悔しそうに見てる男子もいる。
「そんなことしなくてもいいの!早く帰ろ!」
きっと恥ずかしいんだろうなぁ。
本気で言ってないことくらい、芽衣の顔を見ればすぐに分かった。きっと遼太くんも。
「あ、美波はさくら公園だっけ?」
「うん」
「一緒に行くよ」
「いいよ。2人の時間を邪魔するわけにはいかないし、あたし1人でも行けるから大丈夫!」
からかうようにそう言うと、芽衣はやっぱり少しだけ照れて、下を向く。
そして芽衣の代わりに遼太くんが
「あ、じゃあ蒼空と一緒に行けば?」
「蒼空くんと?」
蒼空くんを指差す。



