tender dragon Ⅰ


「遼太が来るって聞かないから、仕方なく一緒に帰るのっ」

「はいはい、分かったよ」

素直じゃないんだから。


靴を履き替えて外に出ると、予想した通り、門のところに遼太くんがいる。

「ほら、迎えに来てるよ」

「ほんとだ。……あれ、蒼空もいる」


芽衣が言う通り、遼太くんの近くには壁に寄りかかってる蒼空くんもいる。

さすが芽衣の彼氏と弟。

そこにいるだけで2人とも目立ってしまっていて、女子たちの注目の的だった。


「すごい目立ってるけど…」

「だから来るなって言ったのに…」


少し近づくと、遼太くんはこっちに気づいたみたいで嬉しそうに手を振ってくる。

そうなれば女の子たちの視線は自然とこっちに向くわけで、きっとみんな一瞬で察した。

蒼空くんは希龍くんと芽衣の弟だって。

3人とも凄く整った顔立ちで、何処と無く似てるから。

芽衣と希龍くんなんてそっくりだもん。