「遼太が来るって聞かないから、仕方なく一緒に帰るのっ」
「はいはい、分かったよ」
素直じゃないんだから。
靴を履き替えて外に出ると、予想した通り、門のところに遼太くんがいる。
「ほら、迎えに来てるよ」
「ほんとだ。……あれ、蒼空もいる」
芽衣が言う通り、遼太くんの近くには壁に寄りかかってる蒼空くんもいる。
さすが芽衣の彼氏と弟。
そこにいるだけで2人とも目立ってしまっていて、女子たちの注目の的だった。
「すごい目立ってるけど…」
「だから来るなって言ったのに…」
少し近づくと、遼太くんはこっちに気づいたみたいで嬉しそうに手を振ってくる。
そうなれば女の子たちの視線は自然とこっちに向くわけで、きっとみんな一瞬で察した。
蒼空くんは希龍くんと芽衣の弟だって。
3人とも凄く整った顔立ちで、何処と無く似てるから。
芽衣と希龍くんなんてそっくりだもん。



