tender dragon Ⅰ


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「みーなみっ、帰ろ?」

「うん」

東高は今日、昼までで学校が終わりだった。だからカバンを持った芽衣があたしの教室まで迎えに来た。


「春斗、迎えに来るって?」

「うん、さっきメールしたら、今から行きますって返ってきたから」

「そっか」

「芽衣は?1人?」

そう言うと、芽衣は少し困ったような照れたような顔をして、首を横に降った。


「遼太が迎えに来るって」

「遼太くんが?」

中学生の遼太くんがどうして東高に?

これから授業でしょ。


「いいって言ったのに来るって聞かなくてさ。」

あぁ、そういうこと。


なんか遼太くんらしいっていうか。ほんとに芽衣のこと大好きなんだなぁ。

芽衣は来なくていいって言ったみたいだけど、顔が少しだけ嬉しそうだから、きっと本音は来てほしいんだと思う。


「ふふっ、よかったね」

「えっ、何が?」

「ほんとは嬉しいくせにー」

そう言うと芽衣の頬は一気に赤くなっていって、顔を背けるけど耳まで赤い。