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「みーなみっ、帰ろ?」
「うん」
東高は今日、昼までで学校が終わりだった。だからカバンを持った芽衣があたしの教室まで迎えに来た。
「春斗、迎えに来るって?」
「うん、さっきメールしたら、今から行きますって返ってきたから」
「そっか」
「芽衣は?1人?」
そう言うと、芽衣は少し困ったような照れたような顔をして、首を横に降った。
「遼太が迎えに来るって」
「遼太くんが?」
中学生の遼太くんがどうして東高に?
これから授業でしょ。
「いいって言ったのに来るって聞かなくてさ。」
あぁ、そういうこと。
なんか遼太くんらしいっていうか。ほんとに芽衣のこと大好きなんだなぁ。
芽衣は来なくていいって言ったみたいだけど、顔が少しだけ嬉しそうだから、きっと本音は来てほしいんだと思う。
「ふふっ、よかったね」
「えっ、何が?」
「ほんとは嬉しいくせにー」
そう言うと芽衣の頬は一気に赤くなっていって、顔を背けるけど耳まで赤い。



