tender dragon Ⅰ


遼太くんの後ろで少しだけ赤くなってる芽衣。照れ臭そうに目を反らしたけど、耳まで真っ赤だった。


「うん、川原美波です。よろしくね」

「俺、成瀬遼太!よろしくな!」

蒼空くんと同い年だって聞いたけど、そうは見えない。蒼空くんが大人っぽいせいかもしれないけど。


「じゃあ、あたしたち帰るから。美波、風邪引かないように気を付けてね」

「うん、ありがと」

あたしがお礼を言うと、芽衣はまた照れたように笑って、帰っていった。


「芽衣も美波も明日から大変だな。」

「何で?」

「芽衣は多分もう、希龍の双子の姉だってことバレてると思うし。明日から質問攻めだろ。」

そうだった。

希龍くんの顔を知ってる人ならきっと、芽衣の顔を見たときに気づいたはず。

それに、名字だって"神岡"だもん。

誰だって気づくよね。


「そっか、そうだよね…」