そんなこと、考えなくても分かるじゃん。

一緒にいれば、どんな人か分かるんだから。二人があたしのことを助けないわけがない。

だって二人とも、優しいもん。


―ブーッ、ブーッ…

ポケットで鳴り響く携帯のバイブの音。

【神岡芽衣】

芽衣からの電話だった。


「もしもし…?」

『あ、美波っ!よかったー…』

「どうしたの?」

『あのね、さっき美波の友達の3人とすれ違って、美波のこと話してるのが聞こえちゃったんだけど…』

「そっか…、ごめんね?でも大丈夫だよ、今から学校に戻ろうと思ってたとこだから。」

『…美波、希龍のとこに行こうとしてたんじゃないの?』


何で芽衣にはバレちゃうんだろ。

あたしの考えてることなんて、まるで全部分かってるみたい。


「…行かないよ…」

『どうして?』

「言ったでしょ?あたし、1人で頑張りたいの。分かってもらえるまで頑張るの。」