tender dragon Ⅰ


今まで酷いことをしてきていたクラスメートがお葬式に来るなんて、おかしいじゃない。

最低だよ。

そんな権利あるの?


………なんて、あたしにはその権利はないのかもしれない。

ここに来てるクラスメートよりも最低なのは、あたしの方だ。

あたしが一番、最低な人間だ。


守れなかった。

ありがとう、とも言えなかった。

あたしはただ、結衣を苦しめただけだった。

あたしと同じ思いをさせただけだった。


あたし1人が苦しめば、結衣は傷付かなかった。そう思うと、押し潰されてしまいそうだった。

結衣と友達になれたことを後悔したくなかったのに。


あの日に、結衣があたしを助けてくれた日に戻りたいと思ってしまう。

そうすれば、友達になんてならない。

結末を知っていれば、食い止めたのに。