tender dragon Ⅰ


そのふわふわの綺麗な髪。

目を閉じた綺麗な女の子。


それは紛れもなく、さっきまであたしと話していた……――親友だった。


「結衣…?」

結衣の体が、真っ赤な鮮血で濡れていく。

じわじわと広がる赤。

ピクリとも動かない結衣。


「結衣ぃっ!!」

気がつけばあたしは走り出していて。

彼女の体を揺すっていた。


「結衣っ、起きて結衣!!」

あたしの手も、真っ赤に染まる。

服も、靴も、真っ赤。

結衣の赤が、あたしを染めていった。


「結衣っ!!結衣ってば!!」

揺すっても、手を握っても、目を開けるどころか一ミリも動かない。