たまにこうやって気にかけてくれる。
それを見たあの子たちがあたしと結衣を虐めてるんだけど、難波くんはそのことに気づいてない。
多分結衣もそのことに気づいてるんだろうけど、何も言わなかった。
「何かあったら言えよ。」
「うん、ありがとね、難波くん」
話しかけないでと言えばいいんだろうけど、何も悪くない難波くんにそんなこと言えない。
いつだって友達に囲まれてる難波くん。
どうしてよりによってあたしなんかを好きになったんだろう。
接点なんてなかったのに。
彼氏は別に欲しくない。結衣が傍にいてくれるから、寂しくも辛くもないから。
「美波、行こ。」
「うん。」
結衣がいれば、虐められたって平気な顔でいられる。これからも笑顔でやっていける、そう思ってた。



