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「美波、行くよ。」

「うんっ」

結衣はあの日からずっと、あたしの傍にいてくれた。

何も言わないけど、結衣も上履きを隠されたり教科書を隠されたりしてる。あたしと同じようなことをされてた。

それでも、あたしには文句一つ言わない。

それどころか、そういうことをされてることすらも、あたしには一度も言わなかった。


"ブス"

"消えろ"


机に書かれた悪口は、何度擦っても消えないけど、前ほど気にならなくなっていた。

それでもあの子たちの虐めは続いている。


難波くんも、それに気づいてるみたいだった。

何度も何度も謝られたけど、悪いのは難波くんじゃないから。


「川原!」

「あ…難波くん」

「最近どう?まだ…」

「大丈夫だよ。あたしには結衣がいるから。」