周りにいた生徒たちは、もちろんあたしたち2人を見ていた。
そんなの当たり前だった。
あたしは泣いていて、もう1人は一匹狼で有名な女の子なんだもん。
「チョコ…」
「はい、あげる。」
金色の包み紙に包まれたチョコをあたしの手のひらの上に置くと、また歩き出した。
「…やっぱ似てるなぁ…」
「何が…?」
ポツリと呟いた言葉。
あたしには何を言ってるのかよく分からなかったけど、優しい目であたしを見ていた。
「強くなりなよ。」
「え?」
「あんなやつらに負けないくらい、強くなるんだよ。」
強くなれ、と言った彼女は振り返ってあたしを見ると
「強くなるまで、あたしが守ってあげる。」
そう言って笑った。



