次の日から案の定、教科書はなくなるし上履きだって何足なくなったか分からない。誰に話しかけても無視された。

あたしは虐められてるんだって、言われなくてもすぐに気づいた。

こうなるのが嫌だったから、なるべく目立たないように、みんなに逆らわないように過ごしてたんだけどな。


"死ね"


油性ペンで机に書かれたその文字は、いくら擦っても消えなかった。

そんなの、気づかないわけないのに先生も気づかない振りして。


誰も助けてくれないんだと分かって、涙が出た。泣くとあの子たちは面白がるって分かってたけど、自分の意思じゃ止められなかった。


「うわ、泣いてるよ!」

「難波くんに助けてもらえばー?」


そんなこと出来るはずない。

難波くんは違うクラスだし、別に付き合ってるわけでもないんだから。

仲が良いわけでもなかった。

だから何で好かれてるのか、分からない。