「……何で連れてきたの…?」
今、あたしの心臓が激しく波打っているのは、やっぱり怖いからなんだろうか。
ここに来ることを何度も躊躇した。
いつかは来なきゃならないと思いながらも、足は重く、気分は落ちていく一方だった。
考えるだけであのときの記憶が鮮明に蘇った。
きっと、あたししか知らない。
あのとき傍にいたのはあたしだったから。
…最後を見たのは、あたしだったから。
【村上家之墓】
目の前の墓石には、そう書いてある。
ここは、あたしの親友が眠ってる場所だった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…