「大丈夫。もしバレても、絶対に守るから。」


あたしの不安そうな顔を見て、希龍くんはやっと笑ってくれた。

いつもみたいに優しく頭を撫でる。


初めて会ったときと変わらない。

それはもちろん、キスをしたあとも。

希龍くんの態度はちっとも変わらなかった。

よく考えれば、おかしい話だ。


あれは何だったんだろう、とたまに考えるけど、希龍くんの考えなんてあたしに分かるわけない。

…多分この先ずっと。


「行くよ。」

「…うん」