「じゃあね、美波」
「うん、バイバイ」
真っ暗な夜道をさっきまで一緒にいた子達と別れて、逆方向に歩き出す。
あたし以外の3人はみんな同じ方向なのに、あたしだけ逆方向。あたしもあっちが良かったな…なんて思わない。
…だって今ごろ、その場にいないあたしの悪口言ってるでしょう?
女子特有の、めんどくさい感じ。
いない子の悪口を言うのが得意だもんね?
分かってるよ。だってあたしも女子だもん。混ざって一緒に言ったことだってあるし、言われてるのが聞こえちゃったこともある。
…でも言い返せない。
悪口を言われたって、言い返しちゃいけない。少しでも敵意を見せれば、そこからは急降下。
あっという間に虐めの標的だもんね。
「はぁー…」
いっそのこと男に生まれればよかった。なんて時々思ってしまう。