上手く言いくるめられたみたいだった。

確かに希龍くんにはベッドで寝てもらいたい。

あれ、こうするしか方法はないの?

いやいや、そんなはずは…


「美波、おいで」


あたしに手を差し出して笑う希龍くん。

どうやら本気だったらしい。


「え?うそ、ちょっと待って。なんか色々おかしくない?」


そんなあたしの言葉を無視して、手をギュッと掴むと、鼻歌を歌いながら自分の部屋に入っていく。


「何が?」

「希龍くんとあたしが一緒に寝るんだよ?」

「うん。」

「仮にも男と女なわけだよ?」

「うん、知ってる。」

「え?おかしくない?」

「そう?」


あれれれ、これ、会話成り立ってるのかな?

それとも成り立ってないのかな?