「……ううん、何でもないよ。」


バラエティ番組の内容なんて、頭に入らない。

隣に希龍くんがいるだけで、こうも動揺してしまうなんて。


「今日も俺の部屋で寝ていいよ。」

「え?…でも、希龍くんが寝るとこがなくなっちゃうじゃん。あたし、ソファで寝るからいい。今日は自分の部屋で寝なよ。」


安田さんは明日朝早いから迷惑かけるわけにはいかないし、葉太の部屋には春斗が寝る。

そうなれば残っているのはソファだけ。


希龍くんがソファで寝る必要はないもん。

あたしは学校に行って、ただ普通に過ごしてるだけ。

でも希龍くんは違う。

龍泉のトップとして頑張ってるんだから、あたしの何倍も疲れてるはずだもん。


「女の子がソファで寝てんのに自分はベッドで寝るって、ありえないからね。」

「女の子って、あたしそんなにか弱くないよ。1日くらいソファで寝たって風邪引かないし。」

「ダメ。絶対風邪引くから。」