tender dragon Ⅰ


あれから時間が経って安田さんが帰ってきた。

相変わらず似合わない買い物袋を手に持って。

「春斗、風呂ー。」


ご飯を食べてお風呂にも入って、リビングでまったり過ごしていたところ。

葉太はつまらなそうにテレビを見ていて、安田さんは久しぶりに夜、家にいる。

春斗は希龍くんに言われてお風呂に向かった。


ほんとに泊まっていくらしい。

それでもいつもと変わらない3人の雰囲気を見てると、珍しいことじゃないんだなぁと思った。

それと同時に、春斗が龍泉の中でも結構上の立場にいることも、何となく分かってしまった。


「俺明日朝早いから寝るわ。美波ちゃん、風邪引くから早めに寝るんだよ?」

「はーい。」


安田さんは優しく言って部屋に入っていった。

そっか、安田さんは明日早いんだ。

いつも忙しそうだもんなぁ。