「俺が直接関わってる女の子を狂羅に見られたことがなかったからだよ。ていうか、外で女の子と会ったことなかったし。」
あぁ、それで…
あたしはたまたま、希龍くんと一緒にいられたところを見られちゃった唯一の女の子ってわけだ。
「でもそれだけなら普通、龍泉の面子を狙いません?」
龍泉の面子…
「これだけ探しても見つからない女より、西高にいることが確実に分かってる龍泉の面子を拉致る方が簡単っすけどね。」
「そりゃあお前、美波は狂羅の幹部の誘い断ってるからなー。」
幹部!?
幹部って、あの人が!?
「誘い断られた上に、希龍にやられてんだから、プライド高い狂羅は必死になってんだろ。」
「えっ、ちょっと待って!あの人狂羅の幹部だったのっ?」
知らなかった。
いや、あたしが知ってるはすがない。
チャラそうな下っ端としか思わなかったもん!



