tender dragon Ⅰ


「温かいやつ、お願いしますっ」

「あ、はい。」

春斗はニコッと笑う。

やっぱり、笑えてなかったかな。


「葉太は?何か飲む?」

こうやって普通に葉太に話しかけれるのは、春斗のおかげなのかも。


「じゃあ俺もココア。」

葉太はあたしのリュックをさりげなく持ってくれた。当たり前みたいに持ってくれたから、少しだけ驚いた。

何でこんなに紳士なの?


―ガチャ


「おー希龍、遅かったな。」

眠そうにあくびをする希龍くんがリビングに入ってきた。


「んー…」

「おかえり、希龍くん。」

「ただいまー」


なんか、いつも眠そう。

最近寝てないのかもしれない。安田さんも春斗も、最近龍泉は忙しいんだって言ってた。