「あ、あたしが呼んだのっ、たまには春斗も一緒にご飯食べたいなーって…思って…」
「そうなんすよ。今日親いないんで、ちょうど食うもんなかったし、助かりまーす。」
今急に言ったことなのに、春斗はあたしの話に合わせてくれた。
「ふーん。美波、今日は安田が夕飯作るって言ってたぞ。」
「そっか、ありがと…」
目を合わせられないのはあたしだけみたい。
葉太には気まずさなんて感じられなかった。
「葉太さん、部屋暑すぎっすよ。」
「バーカ俺じゃねぇよ、希龍。あいつバカみたいに暖房の温度上げて出ていきやがった。」
「あー、希龍さんっすか。」
昨日のことを覚えているようには見えない。
いつもと変わらない葉太だった。
「美波?」
名前を呼ばれて顔を上げると、葉太が不思議そうな顔であたしを見つめていた。



