「あ、やっぱりここからは聞かないでおきます。俺アドバイスとか下手だから(笑)」
へらっと笑った春斗。
あたしの気持ちを察してこんなことを言っているんだ。
「あはは、何それ(笑)」
「笑わないでくださいよー」
―ガチャ…
ドアを開けると、外とは違う暖かい空気が顔を撫でた。暖かいなんて表現じゃなくて”暑い”だ。
「うわっ、あっつ…」
春斗も同じことを思ったみたいで、あたしの心の中の言葉をそのまま口に出した。
「おかえり。何で春斗がいんだよ?」
思った通り、家の中には葉太しかいないみたい。リビングからは葉太の声しかしなかった。



