いつでもあたしのことを考えてくれてるのがよく分かる。普通だったらめんどくさいと思うのが当たり前だし。
「行きますよー、美波さん。」
「うんっ」
どっちが年下なの、って感じだよね。
最初はあんなに幼いと思ってたのに、関わっていくうちにどんどん男っぽくなる。
見た目と反する性格なのかも。
「喧嘩したなら早く仲直りしてくださいね?耀太さんの機嫌が悪いと怖いんで(笑)」
「喧嘩…ってわけじゃないんだけどねー…」
喧嘩、じゃない。
「何すか、それ(笑)」
「んー…」
これは言ってもいいのかな?
もしも葉太が昨日のことを覚えてなかったら、それはあたしと希龍くんと芽衣しか知らないことになる。
葉太が忘れてるならあたしも忘れた方がいいはずだから、やっぱり言わない方がいいか。



