tender dragon Ⅰ


いつでもあたしのことを考えてくれてるのがよく分かる。普通だったらめんどくさいと思うのが当たり前だし。


「行きますよー、美波さん。」

「うんっ」


どっちが年下なの、って感じだよね。

最初はあんなに幼いと思ってたのに、関わっていくうちにどんどん男っぽくなる。

見た目と反する性格なのかも。


「喧嘩したなら早く仲直りしてくださいね?耀太さんの機嫌が悪いと怖いんで(笑)」

「喧嘩…ってわけじゃないんだけどねー…」

喧嘩、じゃない。


「何すか、それ(笑)」

「んー…」


これは言ってもいいのかな?

もしも葉太が昨日のことを覚えてなかったら、それはあたしと希龍くんと芽衣しか知らないことになる。

葉太が忘れてるならあたしも忘れた方がいいはずだから、やっぱり言わない方がいいか。