tender dragon Ⅰ


「…葉太さんと何かありました?」


図星過ぎて春斗を見たまま固まってしまった。

どうしてこんなに鋭いの。


「…分かりやすすぎます。そんなあからさまに反応しないでくださいよ。」


はぁ、とため息をはいてあたしが被っていたヘルメットを外した。

あたしが分かりやすい、っていうのもあるのかもしれないけど、きっと春斗が鋭いから分かっちゃったんだ。


「何があったのかは聞きませんけど、家に入らないわけにはいかないですから。入りにくいなら俺も一緒に行きます。」

「えっ、ほんと?」

「はい。美波さんが風邪引くと俺が希龍さんに怒られますからね。」


ため息をついていたけど、春斗の顔はいつもと変わらずニコニコ笑顔。

めんどくさいなんて思ってないんだ。