tender dragon Ⅰ


確かに、あたしが急にリュックや靴や髪色を変えたら、きっと加菜たちは怪しむだろう。

それでなくても最近怪しまれてるのに。


「とりあえず、何言われても否定するんだよ?まだ噂になってるだけだし、美波って確定したわけじゃないんだから。」

「…うん…」


―キーンコーンカーンコーン…


チャイムが鳴ると、芽衣はスクッと立ち上がってあたしに手を差し出した。


「戻ろっか。」

「うん。…はぁ、また授業受けるのめんどくさいなぁ…」

「来年は同じクラスだといいね。」


そんな風に言う芽衣が可愛すぎて、思わず照れてしまった。


「そうだねっ。」

ほどいていた髪を再び結んで、いつもかけている眼鏡をかけると、いつもと同じ芽衣がいた。