確かに、あたしが急にリュックや靴や髪色を変えたら、きっと加菜たちは怪しむだろう。
それでなくても最近怪しまれてるのに。
「とりあえず、何言われても否定するんだよ?まだ噂になってるだけだし、美波って確定したわけじゃないんだから。」
「…うん…」
―キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴ると、芽衣はスクッと立ち上がってあたしに手を差し出した。
「戻ろっか。」
「うん。…はぁ、また授業受けるのめんどくさいなぁ…」
「来年は同じクラスだといいね。」
そんな風に言う芽衣が可愛すぎて、思わず照れてしまった。
「そうだねっ。」
ほどいていた髪を再び結んで、いつもかけている眼鏡をかけると、いつもと同じ芽衣がいた。



