「…酔ってたからだよ…。だってあたし、葉太に好かれるような可愛い女の子じゃないもん。葉太だって今までそんな素振り見せなかったし…」


いくら鈍感なあたしでも、葉太にその気があるなら気づくはず。

もしかしたらってことくらい考える。

1ヶ月一緒にいて一度もそんな風に思わなかったのは、きっとあたしが鈍感だからじゃないでしょ。


「美波、あいつは本気だよ。今まで美波が気づかなかっただけで、俺だって気づいてたから。」

「違う…、酔ってたからだもん。」


急な展開で頭の整理が出来ない。これから葉太にどう接すればいいのか分からない。

だってこんなの初めてだし、寄りによって相手が葉太なんだもん。


「好きじゃない女にキスしたりしないよ。」


葉太が軽い男だって言ってるわけじゃない。

希龍くんと違って彼女が何人もいるわけでもないし。

葉太はそんなこと、絶対にしない。

これは断言できる。