―ガチャ


リビングの電気はもう消えていて、窓から入る外の光だけが部屋の中を照らしていた。

隣の葉太の部屋からは、物音がしない。

きっともう寝てるからだろう。


希龍くんは、起きてるかな?


コンコン…


「あの……希龍くん…、起きてる…?」


ドアの外から声をかけてみるけど、返事はなかった。

やっぱり、寝てるのかな。


明日誤解を解こう。


と思っていたとき

―ガチャ

希龍くんの部屋のドアが開いた。


「あ……」

眠そうに目を擦って、あたしの手を掴んだ。