自分で言ってて悲しくなるけど、事実は事実。

あたしに本当の友達がいないことは、ずっと前から気づいてた。


「春斗は?」

「え?」

「蒼空は?安田は?芽衣は?」

「何が…?」


「あいつらも友達じゃねぇの?」


葉太の真剣な目があたしを捉えていて、思わず下を向いてしまった。

そんなあたしの手を、葉太が掴む。


「じ、じゃあ…葉太はあたしのこと友達だと思ってるの?」

「俺はどうだろうな。」


何でそんなこと言うんだろう。

なんて、考えてる余裕はなかった。


手を強く引かれて、気がつけば葉太の顔は目の前にある。息が止まりそうだった。

近すぎて。

葉太が何を考えてるのか分からなくて。