「美波、俺の部屋で寝ていいよ」


今日、安田さんは帰ってこないらしい。

週の初めの月曜日の夜。

今、あたしの隣には眠そうに目を擦る希龍くんがいる。

葉太はお風呂に入ってるから、あたしと希龍くんは2人きり。

あたしはもうお風呂に入ったけど希龍くんはまだ入っていない。


「希龍くんは?」

「俺はここで寝るよ」

「え、でも…」


こんな寒い時期にソファで寝るなんて、風邪引くにきまってる。

それに、あたしより希龍くんの方がずっと疲れてるはずだし。


「じゃあ一緒に寝る?」

「え?」


驚いて希龍くんを見ると、希龍くんもあたしを見ていて。目が合うと楽しそうに笑って「冗談だよ」と言った。