tender dragon Ⅰ


「ねぇ、あなたの名前は?」

気になった。あたしは絶対、この横顔を知ってるんだもん。

「あれ、言わなかったっけ?」

「聞いてないよ」

ニコッと笑って言った。


「あたし、神岡芽衣。芽衣って呼んでね」


神岡、芽衣…?

うそ、じゃあこの子は……


「希龍くんの双子のお姉さん!?」

「あれ、やっぱり聞いてたの?」


希龍くんの双子のお姉さんが東高にいることと、その子の名前が"芽衣"だってことは知ってた。

でも、顔は知らない。


「東高に双子のお姉さんがいるってことは聞いてたけど…でも顔は知らなかったし…」

「あ、そっか。分かるわけないよね」


あはは、と笑う芽衣は、どことなく希龍くんに似ていた。でも、蒼空くんとは違う。