「何してんの?」
低くて掠れた声が、静かなこの場所に響く。
あたしの肩を抱いていた手が、スルッと離れる。まるで力を失ったかのように。
「金色の…龍…っ」
金色の龍…?
この様子から見ると、あの金髪の男の人とこのナンパ男は仲間じゃないみたいだ。
それだけで少し安心した。
「何してんのって聞いたんだけど。」
暗くて顔はあまり見えないけど、少しだけ口角が上がっているのが見える。
威圧的な言い方が少し怖かった。
この状況で、どうして笑ってるんだろう。
金髪の男の人が一歩踏み出したとき、隣にいたナンパ男も一歩踏み出した。
ナンパ男は拳をギュッと握っている。



