「うわぁっ!」

「くっ…」

どんどん倒れていく敵。

「あとはお前だけだな…。五郎!」

「やってみろ!」

オレと十は五郎にかかった。

だが、五郎はナイフを取り出して、オレたちにむけた。

「!」

「ははっ…!これで終わりだな…」

五郎は笑い出した。

「あはっ…あははははっ!し、死ねぇ!」

五郎はオレ達のほうにナイフを持って走ってきた。

「十!失せろ!」

オレはそう叫んだ。

思いっきり目をつぶったその時、カシャン、と音がした。目を開けると、ナイフが落ちている。そして、オレの視界には男の影があった。

「女に手ぇ出してんじゃねぇよ。男のクズだな。」

「なっ…、お、お前はっ…。まさか…。」

五郎は言った。

「まさか…、マサカショウ!?」

「はぁぁぁぁ!?今、ギャグ言ってる場合か!?」

オレは叫んだ。

って…、頭痛ぇ!

「痛ぇな、何すんだよ!」

その男がオレの髪を掴んでいるようだ。

「放せ!」

「お前、今度同じこと言ったらぶっ殺すぞ。」

「はぁぁ!?」

もしかして…こいつ、ホントにマサカって名前?で、それがコンプレックス…。ぷっ。おもしれぇ(ドS)

「へぇ~、お前ってマサカって名前なんだな。」

「うるせぇ。怪我したくなかったら失せてろ。」

「…っ…はぁ?」

するとマサカって男が五郎の方に行った。そして…みぞおちヒットをくらわした。

「…っおぉっ…。」

五郎は腹を抱えこんだ。そして奇妙な声を出す。

「ぎょぉぉっ…にょぉぉっ…、おぇぇっ…」

「気持ち悪ぃ声出すな!女に手ぇ出すから悪いんだよ!」

マサカは五郎に一喝…。

「大丈夫か?」

マサカはオレに手を差し伸べた。だが、オレにはそんなモンいらねぇ。

「1人で立てる。」

「ったく、何だよ。」

「はぁ?」

何だよ…この上から目線。

「うっせぇよ。」

ムカつくな…。

「なぁ、お前さ本田ひかりって知ってるか?」

はぁ!?こいつまでオレを倒そうとっ…!?

「そいつがどうした。」

「いや?その口調、ヤンキーに憧れてるのかなっって。」

「本田ひかりはオレだけど。」

「え?」

沈黙が続く。

「はぁ!??本田ひかりって、おおおおおお女なのか!?」

「ああ。オレだ。」

「証拠見せろ!」

そう言われたので仕方なく、腕にあるアゲハのタトゥーを見せる。

「嘘…だろ?」

「いや、本当。」

「だったら…。俺の彼女になれ。」

「…はぁ?」

「俺の値が上がる。」

値が上がる?

「決定な。」

「はぁ?」

「俺は真坂翔。翔って呼んでくれ。」

「…はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」