月と、君と、恋唄と。


そう言い放ったのは覚えてる。
そして、その日が新月で辺りが漆黒の闇に覆われていたことも覚えてる…

でも…すごく好きだった。


だから、連絡先は消せないでいた。
実は、あれからも街中で2人を見たことは何度かあった。


声は絶対にかけなかったけど。


「―ナ、ルナ?」


はっと我にかえる。

つい、昔のことを思い出してしまった。


「ごめん、亜美と結婚かー…」

「ルナ…俺さ、今日、ルナに謝りたくて」


―は?

謝る?