ピンポーン・・・


ガチャッ

「はーい・・・うわっ」

「あれ?・・・え?
なんで邦是?」

「ま・・・増田くん。」

「あれ?ここ亮ン家だよね?遊びに来てんの?」

「ま、まぁね。」

「じゃぁ亮いる系?」

「い、いないよー?」

「じゃぁなんで邦是いるんだよ。留守番?」

「まぁ、そんなところかな。」

「へー・・・。まぁいいや。これさぁ、亮に返しといて。」

「数学のノート?」

「明日小テストあるのに亮に返すの忘れてて。
アイツメールも電話も通じないんだよなぁ。」

「ふーん・・・どうしちゃったんだろね。」







「・・・どうしたんだ急に・・・。」


体全体がビクビクと少しずつ奮え始めてきた。
それでも私は無理矢理笑い顔を造る。

だけど亮の目にはひきつっているようにしか見えていないだろう。


「それはこっちのセリフです。」

怖いほど冷静な口調で私を脅かす。

「・・・。」

「アンタ、本当に邦是の姉ですか。」


「そうだけど・・・。」


「でも光が俺ン家にいるってことだけで俺をこんなとこまで連れてきたりしないですよね。

しかもこんな銃まで振り回して。」

「・・・そ、そうだな。常識的に考えて、初対面の高校生を事件現場に銃で脅しながら連れこむ刑事はいない。」


「なんか俺に用があるんだろ。」


「・・・そうだな。」

「言って下さい。」

「・・・・・・」


つい言葉に詰まる私。

自分が情けない・・・。


こうなることを望んで、ビクビクしながらコイツを連れこんだというのに・・・。