「ね、田中くんはどうして私のことを好きになったの?」

不意を突かれた田中くんが、喉を詰まらせ咳き込んだ。


「わっ、大丈夫?」

「突然変なこと聞いてくるからだろ!」

「変なことじゃないよ。気になる」


田中くんがにやりと笑った。

「それは、ちょっとでも俺に興味が出てきたってこと?」


私は言葉に詰まって何も答えられなかった。

この笑い方をするときの田中くんは意地悪だ。


「別に教えてもいいけど――…」

「いいけど?」


「もし、チョコレートの食いすぎで俺が腹壊したら、夏休みはデートだから。それでも聞きたい?」

「うん。聞きたい」


即答する私に、田中くんは苦笑しながら口を開いた。