田中くんは私に背を向けて転がったまま動かない。

私はこの気まずい状況をどう打開したらいいのか分からず、視界の端に映ったくたくたの紙袋に手を伸ばし、中からチョコレートを取り出した。


はじめに出てきたのは、淡いピンクの包装紙に金色と銀色のリボンをかけた、今年の冬に作ったものだった。

綺麗に見えるよう苦労して結んだ色のリボンをゆっくりと解き、包装紙をバリバリと破った。


あれほどためらっていたのが嘘のように、あっさりと第一関門突破。