「いてー…」

と、田中くんが鼻をさすりながら、色とりどりのリボンがかかった箱と私とを交互に見た。


「……中川?」

はっと我に返った私は、「ごめんなさい!」とだけ言い残し、田中くんに背を向けると公園から逃げ出した。


「お、おい!どこ行くんだよ!ちょっと待てって!!」


背中越しに田中くんの声が聞こえたけど、私は頭が混乱していてどうしていいのか分からず、

彼の声が聞こえなくなるまでひたすら走り続けた。