君に恋をして…【完】

『その子供の名前ってなに!?
今まで隠してたんだから、それくらい
教えなさいよ!』


お父さんはばつの悪そうな顔をして


『藤野…龍………』


って言ったんだ


でも、お父さんはそのあとニヤッと笑っ



ゾクッ


なにか本能的に逃げなきゃって思った


でも、足は言うことを聞いてくれなか
った


『お父さんは明日から、その人とその
子供と同居するんだ
大丈夫
歩を無理に連れてかないから…
お金も毎月送ろう
でも、最後のお別れに……』


ビクッ


お父さんとの距離が縮まっていく


『お父さんの愛の印を残していこう』


バタン


あたしは床に押し倒された