タッタッタッタッ...
階段を駆け上がる。
上がった先に、自販機とその前で悩んでいるソウちゃんが見えた。
「ソウちゃんっ」
私の声にビックリしたのか、ソウちゃんは持っていた100円玉を落とした。
「うわ、何?驚いたじゃんか」
ソウちゃんは「もう、なんだよ」なんて言いながら、落とした100円玉を拾った。
その動作の間に、私は息を整えた。
ソウちゃんがこっちに向きなおす。なに?なんて顔をして。
「これっ」
「は?」
ばしっ
私が投げた「しゅわしゅわブルーミルクソーダ」を、
驚きながらも、抜群の反射神経でソウちゃんがキャッチする。
「おま...あっぶねー!」
「さっき!…ありがとうっ」
「え?あー?」
最初、私が何を言っているのかわからなかった様子のソウちゃんは、
少しだけ考える仕草をして、
「あー...うん。どーいたしまして」
そう言って、優しい顔で笑ったんだ。