「そうだったんだぁ。」
知らなかった、あいつがそんなに優しいなんて。
私は、あいつが産まれてから関わりをあまり持たないようにしてきた。
共働きだったし、保育園に預けてたし。
関わることなんて、あまりしなかった。
「鈴城さんの弟さんは、いつも秋晴と喋っていると出てくる話題なんですよ。」
楽しそうに喋る丸場さんに、私は複雑な気持ちになる。
きっと、私より秋晴くんのほうがあいつの事を、よく理解し、色んな事を知っているのだと思う。
私は、あいつの事を嫌いだし。
あいつも、私のことは良い姉なんて思ってない。
