秘密の時間



「どうしようか?

本当は気持ち伝えちゃってスッキリした方が、いいんじゃない?」


葉子ちゃんはぽとりと呟いた。


えっ?

『伝える』?


「ごめん。これは私の場合。

ウジウジ悩むのやなのよね。だって時間の無駄だし、私だったらとりあえず白黒つける」



そう言うと、葉子ちゃんは少し困った顔をした。


「でも、美優はそういいタイプじゃあ無いもんね。

美優は伝える気あるの?」


私の為に真剣に考えてくれる葉子ちゃんは、本当にたのもしいと思った。


でも…、葉子ちゃんみたく行動力のない私が伝えるなんて…、そんなのむちゃくちゃだ。



「あと…、ネックなのは部長の奥さんか…。

ねー、部長左に指輪してた?」

「さぁー?」


そう答えると、葉子ちゃんは何か考える様に黙り込んでしまった。



「誰か部長の事、詳しく知ってる人いるといいのに…」